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LUNCコミュニティとは、トップのいない状態でTerra Classicを支え続けているすべての人のことです。ネットワークを動かすバリデーター、コードを保守する開発者、LUNCをステーキングしてあらゆる変更に投票する保有者。それを代弁する財団も会社も、ひとつのSNSアカウントも存在しません。
この開かれた構造は、チェーンの強みであると同時に弱点でもあります。誰でもアップグレードを提案したり資金を求めたりできる一方、誰でも「運営チーム」を名乗れてしまうからです。このガイドでは、実際に誰が働いているのか、資金がどう流れるのか、どのサイトが本物なのか、そして詐欺に遭わずに参加する方法を説明します。日本では「LUNC コミュニティ」、中国語圏では「LUNC社区」と検索されることが多いですが、どの言語でもルールは同じです。
会社も財団もない:Terra Classicは誰が動かしているのか
2022年5月以前、Terraチェーンを開発し宣伝していたのはTerraform Labs(TFL)でした。USTがペッグを失い、LUNAの供給量が爆発的に増えたあと、ガバナンス提案1623によって新しいチェーンTerra 2.0が作られ、旧チェーンはTerra Classicという名前で取り残されました。旧コインはLUNCに、旧ステーブルコインはUSTCになりました。当時の経緯はTerra Luna崩壊のタイムラインで詳しく読めます。
TFLが旧チェーンに戻ってくることはありませんでした。同社のサイトには2024年9月30日から事業を整理していると書かれており、Terra 2.0は現在、Phoenix Foundationという別の組織が保守しています。Terra Classicにはそれに相当する組織がありません。コアのコードは2022年12月に作られたコミュニティのGitHub組織classic-terraにあり、どのアップグレードもステーキングされたLUNCによる投票を通過しなければなりません。
ですから、誰かが「LUNCチームが決めた」と言ったら、どの提案のことかを聞いてください。実際には、チェーンはバリデーター、コア開発者、投票者という重なり合う三つのグループによって動いています。トークンそのものの基本はLUNC入門ガイドにまとめているので、ここでは人に焦点を当てます。
Terra Rebelsと2022年の再生
再生はひとつのシグナルから始まりました。2022年6月、提案3568は、供給量が100億LUNCに減るまで取引に1.2%のバーンを課すよう求めました。99.5%の支持で可決されましたが、これはテキスト提案にすぎず、コードは含まれていませんでした。誰かがそのコードを書かなければならず、その役目を担ったのがTerra Rebelsという有志のグループです。
2022年8月3日に可決された提案4159は、ステーキングと委任の再開(提案4095)と並んで、Terra Rebelsのコードリリースの配布を承認しました。税率そのものは別のパラメータ変更である提案4661で決まり、2022年9月15日に可決されています。1.2%のバーンはブロック9,475,200、2022年9月21日ごろに稼働しました。それから1か月もたたないうちに、取引量がチェーンから逃げたことを理由に、提案5234が税率を0.2%に引き下げました。この行きつ戻りつは、その後何年も続くパターンの始まりでした。詳しい経緯はバーン税の歴史で追っています。
Terra Rebelsは一枚岩ではいられませんでした。報道によれば、2022年12月にコミュニティプールからの約15万ドルの支払いをめぐって対立があり、何人もの開発者が去りました。残ったチームはHexxagonに名称を変え、現在はGalaxy Stationを開発し、公開のFinderやノードのエンドポイントを運営しています。「Terra Rebels」の署名がある古い投稿を見かけても、現在の権威ではなく歴史として扱ってください。
Joint L1 Task Forceから現在のコア貢献者まで
2023年1月、提案11168がJoint L1 Task Force(L1JTF)を設立し、資金を割り当てました。コミュニティプールから報酬を受けてコアソフトウェアを保守する開発者グループです。最初のメンテナンス版v1.0.5は同じ月のうちに承認されました。2023年にはさらに資金調達が続き、2024年2月の提案12033では、資金を受けるL1開発者にKYCが義務づけられました。報道によると、L1JTFは2024年3月に解散しています。
開発が止まることはありませんでした。Genuine Labsと呼ばれるグループに関連する2024年の一連の提案が、チェーンをCosmos SDK 0.47に移行させる「パリティ」アップグレードを実現しました。2025年には、OrbitLabsと呼ばれるグループの計画であるSDK 0.53への直接移行をコミュニティが支持し、のちにその作業に対する2件のコミュニティプール支出を承認しました。バージョン4.0.0は2026年4月17日に稼働しています。OrbitLabsがGenuine Labsの後継かどうかは確認できなかったため、私たちは両者を同じチームとして扱っていません。
GitHubの最近のコミットは、fragwuerdig、StrathCole、hoank101、TropicalDog17など、名前の分かる少数の貢献者によるものです。正式な所有者は誰もいないので、開発の継続は資金提案が通るかどうかにかかっています。2026年9月にwasmdの重大なセキュリティホールが見つかった際は、公開の数日前、9月24日に必須パッチが適用されました。すべてのリリースはネットワークアップグレードのページで追えます。
バリデーター:ブロックを生み出し続ける人たち
バリデーターはブロックに署名し、5ブロックごとにオラクルの価格投票を提出し、委任者に代わってガバナンス投票を行う運営者です。アクティブセットには110の枠があり、最近は90未満で運用されているので、まともなサーバーさえあれば参入は難しくありません。ただし投票力は集中しており、上位6つほどのバリデーターでステーキング総量の3分の1以上を握っています。
バリデーター名は自分で付けるラベルです。オンチェーンにはBinanceやCZ、さらにはDo Kwonの名前を含むモニカーまでありますが、どれもその人物や会社とのつながりを証明するものではありません。バリデーターの本当の実績は、稼働率、手数料率、投票の仕方であり、いずれも公開のエクスプローラーで確認できます。比べ方はバリデーターガイドで、ステークを分散させるとネットワークのためになる理由はステーキングガイドで説明しています。
コミュニティの一員にとってバリデーターが重要なのは、デフォルトでほとんどの票を決めるのが彼らだからです。委任したまま一度も投票しなければ、バリデーターが代わりに投票します。つまりバリデーター選びは、利回りだけでなく「政治的な選択」でもあるのです。
ガバナンスが資金を出すチームとコミュニティプール
Terra Classicは、作り手への支払いをコミュニティプールから行います。およそ90億LUNCと数千万USTCを保有するオンチェーンの金庫です。課税対象の送金ごとの一部(提案12223以降は1.5%のバーン税のうち0.15ポイント)と、ガス代の半分で補充されます。資金が出ていくのは支出提案が可決されたときだけなので、助成はすべて公開され、受取アドレスも確認できます。最新の供給量は供給量のページにあります。
最近の支出を見ると、コミュニティが何にお金を払うのかが分かります。LUNCをOsmosisなどのCosmos系チェーンに移せるよう、IBCリレーに資金が出ました。提案12200は、納品後払いという条件で予算12,000ドルのHyperlaneブリッジ統合を承認し、のちの投票で、Ethereum・BNB Chain・Solanaへのブリッジがガバナンスに引き渡された時点で253,074,165 LUNCが支払われました。さらに2件の支払いがSDK 0.53へのアップグレードをまかなっています。
コミュニティは「ノー」も言います。プールの準備金に上限を設ける提案12224は2026年8月に否決され、有償のセキュリティ監査である提案12228も、2026年10月に大量のNoWithVetoを受けて否決されました。こうした票の数え方はガバナンスガイドで解説しています。
こうした投票に参加したい?
投票できるのはステーキング中のLUNCだけ。一般的な流れは、カードでUSDTを買い、LUNCを扱う取引所へ送って購入し、自分のウォレットに出金することです。購入前に、その取引所のLUNC出金状況を確認しましょう。
日本にお住まいの方へ:これらのボタンの先にある取引所は日本居住者を受け付けておらず、金融庁に登録された取引所でLUNCを扱うところもありません。
Hexxagon、Galaxy Station、そしてコミュニティサイト
公式サイトが存在しないため、コミュニティが運営するいくつかのサイトが玄関口の役割を果たしています。便利ではありますが、どのサイトもチェーンを所有しているわけではないとはっきり述べています。下の表は、稼働を確認できたものです。
| リソース | 内容 | 運営者 |
|---|---|---|
| terra-classic.io | エコシステム一覧・資料・ウォレット一覧。CoinGecko掲載のホームページ | コミュニティ(オープンソース) |
| terra-classic.money | 情報サイト。チェーンの所有者はいないと明記 | コミュニティ |
| Galaxy Station | ステーキングと投票のためのウォレット | Hexxagon(旧Terra Rebels) |
| finder.terraclassic.community | ブロックエクスプローラーと提案ビューア | Hexxagon |
| LuncGoblins Discourse | 提案の草案を議論する主要フォーラム | コミュニティ |
| Commonwealth | ディスカッションフォーラム | コミュニティ |
| github.com/classic-terra | コアのコードとリリース | 独立した開発者 |
Galaxy Stationは、Classicモードがもう応答しないノードを指しているTerra Stationの、実質的な後継です。ChromeやBraveの拡張機能とWebダッシュボードとして動き、ステーキングもガバナンス投票もこなせます。Keplr、Ledgerなどとの比較はウォレットガイドをご覧ください。TFLが運営していた旧Agoraフォーラムはアーカイブとして残っていますが、現在の提案の議論はLuncGoblins Discourseに移っており、最近の提案のほとんどがメタデータでそこにリンクしています。
Binanceの役割:大きなプレーヤーであって、管理者ではない
BinanceはLUNCの最大の取引所であり、外部からの支援者として最も目立つ存在です。2022年以降、LUNCの現物・マージン取引手数料の半分をLUNCに換えて、毎月まとめてバーンしています。累計はオンチェーンでの集計で870億枚超に達し、最近のバッチの一例は2026年10月1日の3億3,488万LUNCでした。各バッチはBinanceバーントラッカーで追っています。
Binanceは自社の内部ウォレットについてバーン税の免除もガバナンスに求め、投票者は2023年にそれを認め、2025年に延長しました。ここに関係性の本質が表れています。Binanceは要望を出し、決めるのはステーキングされたLUNCです。2022年の提案4793は、すべての取引所にオフチェーンの取引にもバーン税を適用するよう求めましたが、拘束力はありませんでした。Binanceはその代わりに、独自の手数料バーン方式を選びました。
Binanceが「ではない」ものもはっきりさせておきます。開発者でも、財団でも、スポークスパーソンでもありません。コアのアップグレードを出すこともなく、同社の発表は自社プラットフォームについてのものだけです。
LUNCコミュニティに安全に参加する方法
いちばん安全な参加のしかたは、検証できる情報源から出発して外側へ広げていくことです。まずFinderで最新の提案を読み、各提案の中にリンクされたフォーラムのスレッドを開き、そのあとでチャットに加わりましょう。terra-classic.ioとterra-classic.moneyはどちらも自前のDiscordとTelegramのリンクを載せているので、DMで送られてきた招待ではなく、そちらを使ってください。
次に、効き目のある場所で参加しましょう。LUNCを自分で管理するウォレットに移し、投票方針に共感できるバリデーターにステーキングし、提案には自分で投票します。少額のステークでも、どの提案でもバリデーターの票を上書きできます。トークン自体が初めてなら、USDTからセルフカストディのウォレットまでの流れを購入ガイドで順を追って説明しています。
SNSでは国別のLUNCグループも見かけます。運営者を確認できなかったため、私たちは紹介していません。ローカルなグループは非公式の雑談部屋と考え、ウォレットのリンクやコントラクトアドレス、「サポート」の入手先にはしないでください。各国のルールや地元の取引所についてはアジアのハブページをどうぞ。
LUNC保有者を狙う詐欺
保有者の多さと痛みを伴う過去から、LUNCは格好の標的になっています。詐欺の多くは、偽の報酬、偽の権威、偽のトークンという三つの手口のどれかに頼っています。よく見かけるパターンを下のチェックリストにまとめました。
LUNCコミュニティでの危険信号
- 「LUNCエアドロップ」「LUNA請求」。Terra 2.0のエアドロップは2022年5月に、固定のスナップショットから一度だけ行われました。今LUNCを買っても受け取る権利はありません。
- 「崩壊時の損失を取り戻します」。TFLの暗号資産損失の請求受付は2025年に締め切られました。LUNCを持っていても請求権はなく、本物の管財側が手数料やシードフレーズを求めることはありません。
- 「LUNC公式」を名乗るアカウント。CoinGeckoに載っているLUNCのXのリンク先は@terra_moneyで、Terra Classicの組織ではなくTerraform Labsのアカウントです。
- BNB ChainやEthereum上の「LUNC」という名前のトークン。誰でも作れます。本物のラップドトークンはオンチェーン上のシンボルが「LUNA」です。アドレスはラップドLUNCのページで確認してください。
- 「手数料0%」をうたうバリデーター。モニカーは自由記述です。委任する前にオンチェーンの料率を確認しましょう。
- DMで連絡してくるサポート担当者。ウォレットも、バリデーターも、フォーラムのモデレーターも、あなたの24語のシードフレーズを必要としません。
もうひとつの落とし穴が、ステーキング利回りの表示です。いまだにLUNCの利回りを12〜15%と表示するウォレットもありますが、チェーンが実際に支払うのは手数料控除後でおよそ2%です。2桁のリターンを約束するグループは、情報が古いか、何かを売りつけようとしています。急がせる、非公開のリンクを送ってくる、「確実な」リターンをうたう、といった誘いはチャットを閉じましょう。
出どころを確認よくある質問
LUNCのコミュニティは誰が運営していますか?
全体を運営している人はいません。Terra Classicには会社も財団もありません。バリデーターがブロックを生成し、独立した開発者がコアのコードを書き、ステーキングしたLUNCの保有者がオンチェーンのガバナンス投票でアップグレードや支出を承認しています。
Terra Rebelsとは誰ですか?
2022年5月の崩壊後、1.2%バーン税とステーキング再開のコードを書いた有志の開発者グループです。提案4159がそのコードリリースの配布を承認し、続く提案4661が1.2%の税率を設定しました。その後、コミュニティプールからの支払いをめぐる対立と開発者の離脱でグループは分裂し、Hexxagonに名称を変えて、現在はGalaxy Stationを開発しています。
LUNCの公式Xアカウントはありますか?
Terra Classicを代表する単一のアカウントはありません。CoinGeckoはLUNCのアカウントとして今も@terra_moneyを載せていますが、これは事業整理中でTerra Classicを運営していないTerraform Labsのアカウントです。LUNCの公式を名乗るアカウントには注意してください。
LUNCのエアドロップはありますか?
現在行われているLUNCのエアドロップはありません。この話で本物のエアドロップといえるのは、2022年5月に崩壊前後のスナップショットに基づいて一度だけ行われたTerra 2.0のLUNA配布だけです。今LUNCを買っても持っていても、エアドロップを受け取る権利はないので、それをうたうメッセージは詐欺です。
今、Terra Classicは誰が開発していますか?
classic-terraのGitHub組織で作業を公開している独立した貢献者たちで、通常はガバナンス投票を経てコミュニティプールから報酬を受けています。Cosmos SDK 0.53への移行を含む最近のアップグレードは、OrbitLabsなどのグループや、アップグレード提案を書く個人の開発者によるものです。
ほかのLUNC保有者とはどこで交流できますか?
まずはコミュニティサイトのterra-classic.ioとterra-classic.moneyから始めましょう。どちらも自前のDiscordやTelegramへのリンクを載せています。ガバナンスの議論にはLuncGoblins Discourseのフォーラムが使われています。本物のプロジェクトの人間が、先にDMを送ってシードフレーズを聞いてくることはありません。
出典
- Terra Classicのコアコード(GitHubのclassic-terra) · 公式コードリポジトリ
- terra-classic.io コミュニティハブ · コミュニティサイト
- terra-classic.money コミュニティサイト · コミュニティサイト
- 提案4159 — Terra Rebelsのコード配布 · オンチェーンの提案
- 提案11168 — Joint L1 Task Force · オンチェーンの提案
- コミュニティプールの残高 · オンチェーンの残高
- CoinGecko — Terra Luna Classic · アグリゲーターの掲載情報
- Terraform Labs 事業整理のお知らせ · 企業の声明
