私たちはLUNCの目標価格を出していませんし、出している人の話は慎重に聞くべきだと考えています。LUNCの価格予想はどれも、実は2つの数字についての推測です。市場がテラクラシックのネットワーク全体にいくらの価値をつけるか、そしてその価値が何枚のコインに分けられるか。この2つが分かれば、価格は単純な割り算で出てきます。上のシミュレーターでは、オンチェーンのライブの供給量を使って両方を設定し、計算上の価格を確かめられます。
この考え方ひとつで、知っておくべきことの大半は説明できます。LUNCは約6.4兆枚あるので、時価総額が10億ドル増えても、1枚あたりの価格は約0.000155ドルしか上がりません。バーンは供給量をゆっくり減らす一方、市場心理は数週間で時価総額を2倍にも半分にもします。このガイドでは、予想サイトの数字がバラバラな理由、LUNCを押し上げたり押し下げたりする条件、バーンと供給量の比較、そして2026年、2030年、2040年といった予想の見極め方を説明します。
まずは計算LUNCの価格予想サイトがこれほどバラバラな理由
LUNCの予想を検索すると、2030年までに1セントの何分の一かに届くというサイトもあれば、ほとんど変わらないとするサイトもあります。この差は、どちらかが秘密の情報を持っているという意味ではありません。こうしたページの多くは、直近の値動きを取り込んでそのまま延長したり、毎年一定の成長率を当てはめたりする自動モデルで作られています。入力が変われば、出力も一緒に大きく振れます。
LUNCは値動きが激しいので、この問題がさらに大きくなります。CoinGeckoのデータでは、2026年4月20日から5月6日にかけて日次終値が約0.000041ドルから約0.000115ドルへ、2週間で約180%上昇し、その後その多くを吐き出しました。上昇の最中に作られたモデルと、1か月後に作られたモデルでは、まったく違う10年が描かれます。どちらも2030年について何も教えてはくれません。
2つ目の問題は供給量です。CoinGeckoは流通供給量を約5.5兆LUNCとしていますが、チェーン自体が示す総供給量は約6.4兆枚です。アグリゲーターはどのウォレットを除外しているかを公表していないため、9,000億枚を超える差を検証できません。流通供給量を使った予想は、総供給量を使った予想より、同じ時価総額でも高い価格になりますが、どちらを使ったか明記していないページがたくさんあります。違いはLUNCの供給量ガイドで説明しています。
3つ目の問題は過去の価格です。チャートには今も、2022年4月5日につけた旧LUNAの過去最高値119.18ドルが表示されていて、「あの水準への復活」がありえそうに聞こえます。しかし2022年5月7日時点のLUNAの総供給量は約7億2,500万枚でした。2022年5月の崩壊で何兆枚もの新しいコインが発行され、供給量は約6.9兆枚でピークをつけました。今買えるコインは約9,000倍の枚数に分けられているので、昔の価格は参考になりません。
すべての予想の裏にあるひとつの公式
価格=時価総額÷供給量。これは理論ではなく、時価総額の定義を逆にしただけです。市場がテラクラシックを10億ドルと評価し、供給量が約6.44兆LUNCのままなら、1枚は約0.000155ドルです。時価総額が2倍の20億ドルになれば、価格も2倍になります。時価総額を10億ドルのまま供給量を10%減らしても、価格は約11%しか上がらず、約0.000172ドルです。
下の表では、バーンの量がそれを基準に測られ、誰でもチェーン上で確認できるという理由で、オンチェーンの総供給量を使っています。流通供給量を使いたい場合、同じ時価総額で価格は約17%高く出ますが、誰も監査できない数字を信じることになります。現在の時価総額と価格はLUNCの価格チャートで確認できます。
| 時価総額 | 供給量6.44兆 | 供給量5.8兆(−10%) | 供給量5.15兆(−20%) |
|---|---|---|---|
| 1億ドル | $0.0000155 | $0.0000172 | $0.0000194 |
| 2.5億ドル | $0.0000388 | $0.0000431 | $0.0000485 |
| 5億ドル | $0.0000776 | $0.0000862 | $0.0000970 |
| 10億ドル | $0.000155 | $0.000172 | $0.000194 |
| 50億ドル | $0.000776 | $0.000862 | $0.000970 |
| 100億ドル | $0.00155 | $0.00172 | $0.00194 |
| 500億ドル | $0.00776 | $0.00862 | $0.00970 |
時価総額÷供給量。供給量を減らした2列は仮定の値です。上のシミュレーターはライブの供給量を使っています。
この表は2つの方向で読めます。行を右へ進むと、バーンの効果が分かります。全LUNCの5分の1を取り除くと、価格は25%上がります。列を下へ進むと、需要の効果が分かります。時価総額が10倍になれば、価格も10倍です。つまり予想とは主に「どれだけのお金がLUNCを持ちたがるか」への賭けであり、供給量は2番目の小さな要因にすぎません。目標価格を示すページを見たら、この表に当てはめて、その時価総額がありえそうか自問してみてください。1セントのような切りのいい目標についてはLUNCが1ドルになる可能性のページで扱っています。
弱気・基本・強気:目標価格ではなく条件で
3つの目標価格の代わりに、3組の条件を示します。それぞれについて、シミュレーターに自分で時価総額を入れてみてください。この作業の価値は、好きな数字を選ぶのではなく、何が起きる必要があるのかを言葉にせざるをえなくなる点にあります。
弱気の条件。出来高がじりじり減り続け、LUNCを外す取引所が増え、バイナンスの毎月の手数料バーンが縮小するか止まり、開発者へのコミュニティ資金も枯れていきます。オンチェーンの活動が減るので、バーン税で取り除かれるコインも減ります。この世界では、供給量はほとんど動かないまま時価総額が縮み、LUNCは昔の思い出と裁判のニュースでおもに取引されるティッカーへとゆっくり変わっていきます。
基本の条件。有志やコミュニティ資金で動く開発者がチェーンのアップグレードを続け、ガバナンスは機能し続け、バーンは年に数百億LUNCという継続的なペースで続きます。流動性は一握りの大手海外取引所と、トルコリラ、タイバーツのペアに集中したままです。価格はおおむね暗号資産市場全体に連動し、上下どちらにも大きめに振れ、時価総額はここ数年と同じく数億ドル規模の前半のレンジを行き来します。
強気の条件。力強く長続きする暗号資産の強気相場が投機的なコインを押し上げます。同時にテラクラシックで実際の利用が増えます。新しいHyperlaneのブリッジが活動を呼び込み、オンチェーンのDeFiの預かり資産が100万ドル未満という水準を大きく超え、韓国のようにLUNCを避けてきた市場で新規上場が起こります。オンチェーンの出来高が増えれば、税によるバーンも増えます。それでも規模の問題は残ります。表のとおり、時価総額を10億ドルから100億ドル、500億ドルへと進めるには、その一段ごとに桁違いの需要が必要です。
まず条件を言葉にする
シナリオが役に立つのは、それが実現するために何が真でなければならないか、そして何が起きれば外れたと分かるかを言えるときだけです。
LUNCの価格を実際に動かしているもの
最大の要因は暗号資産市場全体です。LUNCは高リスクの小型銘柄のようにふるまいます。ビットコインや大型アルトコインが上がると、お金はリスクの高い方へ流れ込み、下がるとLUNCはたいていもっと大きく下がります。市場全体のサイクルを無視した予想は、いちばん大事な入力を見落としています。
2番目は取引所の動きです。上場は買い手を増やし、上場廃止は買い手を減らします。OKXは2025年9月にLUNCの現物取引を終了し、韓国のウォン建て取引所は2022年半ば以降どこも上場していません。日本でも、金融庁に登録された取引所でLUNCを扱うところはありません。なかでも重要なのがバイナンスで、LUNC/USDTとLUNC/TRYの最大の市場を持ち、LUNCの取引手数料の半分を毎月バーンしています。どこで取引されているかはLUNCの取引所ガイドで追っています。
3番目はガバナンスとアップグレードです。バーン税は提案12223で0.5%から1.5%に上がりました。この提案は、1.5%を求めた過去2回の提案が否決されたあと、2026年8月2日に僅差で可決されたものです。コアのアップグレードでは、2026年4月にCosmos SDK 0.53へ、同年10月にv4.1.1へ移行し、コミュニティはイーサリアム、BNBチェーン、ソラナへのHyperlaneブリッジへの支払いも承認しました。こうした動きはチェーンを使える状態に保ちますが、それだけで価格のトレンドを変えたものはありません。経緯はネットワークアップグレードのページで追えます。
最後がニュースの見出しで、これはすぐに色あせます。2025年12月のド・クォン氏の判決前後には、日次出来高3億3,300万ドルを伴ってLUNCが約0.000061ドルまで跳ね上がり、12月下旬には約0.000039ドルまで戻りました。ニュースによる急騰は予想サイトに格好のチャートを与えますが、今後5年の手がかりとしては役に立ちません。
少額のポジションを考えているなら
LUNCへのルートの多くはステーブルコインから始まります。まずUSDTを用意し、LUNCを上場している取引所へ送り、自分で管理するウォレットにコインを出金しましょう。なお、このボタンの先の取引所は日本居住者を受け付けていません。
日本にお住まいの方へ:これらのボタンの先にある取引所は日本居住者を受け付けておらず、金融庁に登録された取引所でLUNCを扱うところもありません。
バーンと供給量:ゆっくり効くレバー
供給量は2022年5月に約6.907兆LUNCでピークをつけました。それ以降に取り除かれたのは約4,630億枚で、約4年半でピークの約6.7%です。年1,000億LUNCのペースに見えますが、この見出しの数字は実態より良く見せています。コミュニティのトラッカーは、取り除かれた量全体の約54%をテラフォームラボのウォレットからの1回限りのバーン、約20%をバイナンス、オンチェーンの税によるものは約4分の1にすぎないとしています。1回限りの分を除くと、継続的なペースは年500億LUNC未満で、2026年11月までの半年間に取り除かれたのは約190億枚だったとトラッカーは示しています。年500億枚のペースだと、さらに供給量の10%を取り除くには約13年かかります。
バーン税は課税対象のオンチェーン送金に対して1.5%で、そのうち1.2ポイントがバーンされ、残りはコミュニティプールと、ステーカーに報酬を払うオラクルプールに回ります。税率はガバナンスで決まり、投票で変更できます。ここで大事なのは、LUNCの取引の大半はチェーンの外、つまり取引所の中で行われていて、そこには税がかからないということです。だからこそバイナンスの自主的な手数料バーンが重要になります。その量はオンチェーン集計で870億枚超(バイナンス自身が最後に公表した累計は2026年1月分の手数料までで約820億枚)、取り除かれた量全体のおよそ5分の1にあたります。
さらに、仕組みにはブレーキが組み込まれています。税は動いたLUNCの一定割合をバーンします。価格が10倍になって、人々がオンチェーンで同じドル額を動かすなら、動くコインの枚数は10分の1になり、枚数ベースのバーン量も同じだけ減ります。バーンは価格を下支えすることはできても、それだけで目標価格まで運ぶことはできません。取り除かれた量のライブの合計はバーントラッカーで確認できます。
多くの予想が触れないリスク
強気の予想は、構造の話をめったにしません。88のアクティブなバリデーターは十分な数に見えますが、わずか6つで投票力の3分の1超を握っています。DefiLlamaによれば、オンチェーンのDeFiエコシステム全体の預かり資産は100万ドル未満で、AstroportやLoopといったかつての有名どころはClassic上では動いていません。全取引所を合わせた日々の出来高は数百万ドル程度にとどまることも多く、そこそこの売り注文で価格が動きます。
ガバナンスにも対立があります。1.5%の税は、棄権を除いた票の約52.6%の賛成と、多くの棄権のなかで可決されました。2026年10月には、セキュリティ監査に資金を出す提案が拒否権で否決されています。バイナンスのバーンは企業の判断であって、プロトコルのルールではありません。どれもLUNCが失敗するという意味ではありませんが、順調な成長を前提にした予想を疑う理由にはなります。こうした点はLUNCは復活するのかのページで詳しく比べています。
LUNCの価格予想を見極める方法
すべての予想を切り捨てる必要はありません。試してみればいいのです。LUNCの将来性を語る記事でも、YouTubeの目標価格でも、SNSに流れてくるチャートでも、重みを置く前に次の質問に通してみてください。
LUNCの価格予想に投げかけたい7つの質問
- その目標価格が意味する時価総額を示しているか?
- 総供給量と流通供給量のどちらを使ったか明記しているか?
- 仕組みを説明しているか、それとも割合を当てはめているだけか?
- 年に数百億LUNCという継続的なペースを大きく超えるバーンを前提にしていないか?
- 2030年や2040年という日付に、複利計算以外の根拠があるか?
- モデルの出力がいつ、どのように作られたかを示しているか?
- LUNCとテラ2.0のLUNAを混同していないか?(LUNCとLUNAの違いを参照)
3つ以上当てはまらない予想は、娯楽として扱いましょう。この見極め方は、どの言語で検索しても通用します。日本で「LUNC 将来性」や「LUNC 価格予想」と検索する人も、トルコで「LUNC geleceği」、台湾や香港で「LUNC 未來」、ベトナムで「dự đoán giá LUNC」と調べる人も、同じようなモデル生成のページに行き着き、同じ計算がすべてに当てはまります。
よくある質問
LUNCの2030年の価格予想は?
誰にも分かりませんし、私たちも予想価格は出していません。2030年の価格は、テラクラシックの時価総額がいくらになり、供給量がどれだけ残っているかで決まります。年に数百億LUNCという継続的なバーンのペースでは、2030年の供給量はまだ6兆枚を超えているはずで、時価総額10億ドルごとに1枚あたり約0.00016ドルという計算になります。
仮想通貨LUNCに将来性はありますか?
将来性は、価格ではなく条件で考えるのが現実的です。開発資金が続くか、取引所が上場を続けるか、オンチェーンで実際の利用が増えるかが鍵になります。バーンは本物ですが進みは遅く、価格を大きく動かしてきたのは需要と時価総額の変化です。投じるのは失っても困らない金額にとどめてください。
LUNCの価格予想サイトの数字がまったく違うのはなぜですか?
多くは直近の勢いをそのまま延ばすか、一定の成長率を当てはめる自動モデルを使っています。そのため上昇の直後に作られた予想と、下落の直後に作られた予想ではまったく違って見えます。流通供給量と総供給量を混同していたり、供給量をまったく考慮していなかったりするものも多く、目標価格が意味する時価総額を示しているところはほとんどありません。
時価総額10億ドルならLUNCはいくらになりますか?
総供給量を約6.44兆LUNCとすると、時価総額10億ドルは1 LUNCあたり約0.000155ドルです。先に供給量が20%減っていれば、同じ時価総額で約0.000194ドルになります。これは予想ではなく、ただの計算です。
バーンでLUNCの価格は上がりますか?
バーンは供給量を減らすので、需要が変わらなければ少しは助けになりますが、効き方はゆっくりです。2022年5月のピーク以降に取り除かれたのは約4,630億LUNCで、4年半で供給量の約6.7%、しかもその半分以上は1回限りの大口バーンによるものです。価格を動かしてきたのは、バーンよりも需要と時価総額の変化です。
LUNCの2040年の現実的な価格予想はありますか?
2040年の予想は、推測の上に推測を重ねたものです。その期間では、コミュニティが開発資金を出し続けるか、取引所がLUNCの上場を続けるか、実際のオンチェーン利用が生まれるかで結果が決まります。私たちは、ひとつの数字よりシナリオで考えるほうが役に立つと考えています。
出典
- テラクラシック LCD:LUNCの総供給量 · オンチェーンの供給量
- テラクラシック LCD:taxモジュールのパラメータ · オンチェーンのパラメータ
- 提案12223:オンチェーン税率を1.5%に設定 · ガバナンス提案
- CoinGecko:Terra Luna Classicのマーケットデータ · マーケットデータのアグリゲーター
- テラクラシックのコアリリース(GitHub) · コアソフトウェアのリリース
- DefiLlama:チェーン別TVLデータ · DeFiデータのアグリゲーター
