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LUNCは、2022年5月に崩壊するまで単に「テラ」と呼ばれていたブロックチェーン、テラクラシックのコインです。崩壊後、まったく新しいチェーンが元の名前とLUNAのティッカーを引き継ぎ、元のネットワークはテラクラシックに、そのコインはLUNCに改名されました。チェーン自体は一度も止まっていません。コミュニティが生かし続け、手数料の支払い、バリデーターへのステーキング、提案への投票、ネットワーク上の送金には今もLUNCが使われています。
LUNCには運営会社もなければ、価格の約束もありません。供給量は約6.9兆枚のピークから減って約6.4兆枚で、課税される送金のたびにごく一部がバーンされます。そのためLUNCは、動いているブロックチェーンであり、コミュニティによる救済プロジェクトであり、投機の対象でもあるという、少し変わった資産です。このガイドではそれぞれの側面をわかりやすく説明するので、ご自身で判断する材料にしてください。
LUNCという名前の意味
名前の由来はラテン語です。テラは地球、ルナは月を意味します。つまり元のプロジェクトは、「地球」というブロックチェーンと「月」というコインの組み合わせでした。ページ上部の満月の写真は、そのちょっとしたオマージュです。2022年5月より前は、コインがLUNA、チェーンがテラでした。ネットワークが破綻したとき、ガバナンスの投票で新しいチェーンを始めることが決まり、その新チェーンがLUNAのティッカーを引き継ぎました。
そこで旧コインには新しい名前が必要になりました。それがルナクラシック、ティッカーはLUNCで、チェーンはテラクラシックになりました。チェーンIDは変わっておらず、今も崩壊前から動いていたのと同じネットワークのcolumbus-5です。「テラルナクラシック」「ルナクラシック」「LUNC」と検索している人が探しているのは、すべて同じものです。
ここで多くの初心者がはまる落とし穴があります。新しいティッカーを採用しなかった取引所があるのです。KrakenやBitkubは今もテラクラシックをLUNAとして上場していますが、バイナンスはLUNAを新しいテラ2.0のコインに使っています。画面の名前だけでは、どちらのコインを買おうとしているのか分かりません。注文する前にLUNCのリアルタイム価格ページと価格を見比べてください。2つのコインはまったく違う価格帯で取引されています。
チェーン上でのLUNCの役割
LUNCは取引所に並ぶティッカーにとどまりません。テラクラシック上では5つの具体的な役割を担っていて、それぞれがオンチェーンで確認できるネットワークの仕組みにつながっています。カードをめくって要点をつかみ、そのあと各役割がなぜ大事なのかを読んでみてください。
いちばん分かりやすいのがガス代です。単純な送金から投票まで、テラクラシック上のあらゆる操作にはネットワークに支払う少しのLUNCが必要です。ステーキングはセキュリティの層です。テラクラシックはプルーフ・オブ・ステーク型のチェーンなので、ブロックはバリデーターが生成し、保有者はLUNCを委任してバリデーターを支えます。インフレ率はゼロに設定されているため、報酬は新しく発行されたコインではなく、主にオラクルプールと手数料から支払われます。年2%前後という報酬がどう測定されているのか、ウォレットに表示される12〜15%がなぜ誤りなのかはLUNCステーキングのガイドで説明しています。
ガバナンスは、ステークしたLUNCを投票権に変えます。ステークしたまま投票しなければバリデーターが代わりに投票しますが、いつでも自分の票で上書きできます。オラクル投票はテラ独特の仕組みです。バリデーターは数ブロックごとに為替レートのデータを投稿し、正確さを保った者がオラクルプールの報酬を分け合います。投票を逃しすぎたバリデーターはステークの一部を失い、ジェイル(一時停止)されます。バリデーターのページで慎重に選ぶべき理由のひとつがここにあります。
多くの人が耳にしたことがあるのがバーン税です。2026年8月2日に可決された提案12223で、ガバナンスが1.5%に設定しました。ほかのパラメータと同じく、投票で変更できます。具体例で見てみましょう。あるウォレットから別のウォレットへ1,000,000 LUNCを送ると、税は15,000 LUNCです。そのうち12,000 LUNCが消滅し、1,500 LUNCがコミュニティプールへ、1,500 LUNCがオラクルプールへ入ります。ステーキングの操作、IBC送金、取引所内での売買には税がかかりません。税率変更の長い歴史も含めたルールの全体像はバーン税の解説にまとめています。
テラクラシックを運営しているのは誰か
テラクラシックに持ち主はいません。テラを開発したテラフォームラボは2022年に新チェーンへ活動を移し、2024年9月30日から清算手続きに入っています。テラ2.0は現在、別のグループが保守しています。テラクラシックは保有者、バリデーター、有志の開発者に託され、今もその形で動いています。
コアコードはGitHubのclassic-terra組織にあります。独立した開発者がアップグレードを書き、その一部は公開投票を経てコミュニティプールから報酬を受け取っています。2026年4月の大型アップグレードでチェーンは新しいCosmos SDKのバージョンに移行し、その後のパッチでセキュリティの問題や詰まったトランザクションが修正されました。この流れはネットワークアップグレードのページで追えます。
重要な決定はすべてオンチェーンのガバナンスを通ります。税率、バリデーターの枠の数、コミュニティプールからの支出、さらには誰がスマートコントラクトをデプロイできるかまで、すべて投票で決まります。2026年10月26日に提案12234が可決されてからは、新しいコントラクトのコードを承認できるのはガバナンスだけです。どの提案も、Terra Classic Finderのような公開エクスプローラーで自分で読めます。
持ち主がいないことの欠点は、チェーンを代表する唯一の声がないことです。公式の財団も公式のSNSアカウントもありません。terra-classic.ioのようなコミュニティサイトもそのことをはっきり書いています。「LUNCの公式チーム」を名乗るアカウントは疑ってかかり、再建を支える人たちについてはコミュニティのページをご覧ください。
LUNCが生まれた経緯
テラは2019年、シンプルなアイデアを軸に始まりました。アルゴリズム型ステーブルコインのUSTを、LUNAとの発行・バーンの連動によって1ドルに保つというものです。保有者はいつでも1ドル分のUSTを1ドル分のLUNAに交換でき、その逆も可能でした。需要が伸びているあいだはうまく機能し、LUNAは2022年4月5日に119.18ドルの過去最高値をつけました。
2022年5月7日、大口のUST売りでステーブルコインがペッグを割り込みます。保有者がUSTをLUNAに換えようと殺到し、システムは支払いのためにLUNAを発行し、増えた供給が価格を押しつぶし、それがさらなる換金を招きました。LUNAの総供給量は3週間足らずで約7億2,500万枚から約6.9兆枚に膨れ上がりました。チェーンは5月12日と13日の2回停止されます。5月25日にガバナンスで提案1623が可決され、5月28日に新しいテラ2.0のチェーンが始まりました。旧チェーンはテラクラシックとして動き続けています。
法的な面では、ひとつの章が閉じました。共同創業者のド・クォン氏は米国で有罪を認め、2025年12月11日に禁錮15年の判決を受けました。LUNCを持っていても、テラフォームラボの残りの資産に対する請求権はありません。日ごとの詳しい経緯はテラ・ルナ崩壊の時系列で紹介しています。
LUNCの発行枚数
短く答えると、とても多いです。総供給量は2022年5月下旬に約6.907兆LUNCでピークをつけました。それ以降、バーンで約4,620億枚、ピークの約6.7%が取り除かれ、残りは約6.4兆枚です。正確な数字はブロックごとに変わるので、古い記事の数字を信じるのではなくライブのバーントラッカーで確認してください。
バーンはどこから来たのでしょうか。コミュニティのトラッカーによると、およそ半分がテラフォームラボのウォレットからの大口バーン1回分、約5分の1がバイナンスの毎月の手数料バーン、約4分の1がオンチェーンの税によるものです。これらの内訳は第三者のダッシュボードの数字なので、推計として扱ってください。確かなのは、新しいLUNCは発行されず、供給量は減る一方だということです。
価格サイトでは2種類の数字も目にします。総供給量はオンチェーンにあるすべてのコインを数えたものです。CoinGeckoなどのアグリゲーターが示す「流通供給量」は約5.5兆枚に近く、プール、ステーク中のコイン、一部の大口保有を除いています。どちらも間違いではありませんが、混ぜて使うと計算が狂います。その差はLUNCの供給量ガイドで説明しています。
| 項目 | テラクラシック(LUNC) |
|---|---|
| 正式名称 | ルナクラシック(テラルナクラシックとも) |
| チェーン | テラクラシック、チェーンID columbus-5 |
| 最小単位 | 1 LUNC=1,000,000 uluna |
| 供給量 | 約6.4兆枚(ピークは約6.907兆枚) |
| 新規発行 | なし(ガバナンスでインフレ率0%に設定) |
| バーン税 | 1.5%(うち80%が消滅) |
| ステーキング解除期間 | 21日 |
| 持ち主 | なし(オンチェーンのガバナンスで運営) |
LUNC、LUNA、USTCの関係
LUNCには近い親戚が2つあり、取り違えるとお金を失います。LUNA(LUNA 2.0とも表記)は、2022年5月28日に始まったテラ2.0のコインです。2022年5月に取られたスナップショットをもとに、旧チェーンの保有者へ一度だけエアドロップされました。LUNCとLUNAのあいだにスワップもブリッジもなく、今LUNCを買ってもLUNAを受け取る権利はありません。2つを並べた比較はLUNCとLUNAの違いでご覧いただけます。
USTCは旧ステーブルコインのUSTで、TerraClassicUSDに改名されています。今もテラクラシック上に存在しますが、1ドルを大きく下回る価格で取引されています。LUNCとUSTCのオンチェーンスワップは事実上停止しており、USTCの発行もガバナンスで無効化されています。コミュニティは将来のリペッグ(ペッグ回復)について何度かシグナル投票を可決していますが、動くコードを含むものはひとつもありません。それらの計画に本当に必要なことはUSTCのページで解説しています。
少しだけ持ってみたいと思ったら
LUNCへのルートの多くはUSDTから始まります。カードでUSDTを用意し、テラクラシックを上場している取引所へ送り、購入前に出金状況を確認しましょう。このボタンの先の取引所は日本居住者を受け付けていない点にご注意ください。
日本にお住まいの方へ:これらのボタンの先にある取引所は日本居住者を受け付けておらず、金融庁に登録された取引所でLUNCを扱うところもありません。
今も保有される理由
99.99%を超える暴落のあと、なぜ今もLUNCを持つ人がいるのでしょうか。正直に言うと理由は4つあります。1つ目はコミュニティです。何千もの保有者、バリデーター、開発者がチェーンを見捨てないと決め、その多くにとってLUNCは思い入れのある長期プロジェクトです。2つ目はバーンです。供給量が減っていくという話は分かりやすく、バイナンスの毎月のバッチや課税送金のひとつひとつがその物語を支えています。
3つ目は投機です。LUNCは値動きが速く、2026年春に急騰したあと、その多くを吐き出しました。トレーダーは値幅と出来高の大きい資産を好み、LUNCは活発な日にはその両方を備えています。4つ目の理由がいちばん危険で、1枚あたりの価格の安さです。1枚が1セントのごく一部しかしないコインなら、少額でも何百万枚も買えてしまい、それがお得に感じられるのです。
心理学ではこれをユニットバイアスと呼びます。資産全体の価値ではなく、1単位の価格で判断してしまう傾向です。仮の例で考えてみましょう。LUNCが0.00005ドルで取引されていたとします。すると100ドルで200万枚が買え、ビットコインのごく一部を買うよりずっと多く手に入れた気分になります。でも1枚あたりの価格は、パイがどれだけ細かく切られているかを示しているにすぎません。約6.4兆枚という供給量なら、0.00005ドルは時価総額およそ3億2,000万ドルを意味します。手持ちのコインが2倍になるには、市場がチェーン全体を約6億4,000万ドルと評価する必要があります。LUNCが1ドルになるには、時価総額が約6.4兆ドル必要です。LUNCが1ドルになる可能性を時価総額で計算したページでは、この数字をライブで計算しています。
これはLUNCが良い、悪いという話ではありません。正しい問いは「何枚買えるか」ではなく、「自分の計画がうまくいくには、ネットワーク全体がいくらの価値になる必要があるか」だということです。今後どうなりうるかをバランスよく知りたい方は、LUNCは復活するのかを検証したページをご覧ください。
リスクをわかりやすく
LUNCには、暗号資産によくあるリスクのすべてに加えて、独自のリスクがいくつかあります。まずは価格です。コインは2022年の高値をはるかに下回っており、悪い月には今でも価値の大半を失いえます。流動性は一部の大手取引所に集中していて、撤退したところもあります。OKXは2025年9月にLUNCを上場廃止し、韓国の取引所は2022年以降どこも上場していません。取引所がLUNCの出金を止めることもあるので、買う前に状況を確認してください。
ガバナンスもリスクです。頼りにしているパラメータが投票で変わることがあります。バーン税だけでも1.2%から0.2%、0.5%と動き、2026年8月からは1.5%です。ステーキングの投票力もかなり集中していて、私たちが確認した時点では、わずか6つのバリデーターで投票力の3分の1超を握っていました。アプリのエコシステムも小さく、DefiLlamaによればテラクラシックのアプリ全体の預かり資産は100万ドル未満です。
最後に、実務的な落とし穴もあります。LUNAというティッカーの混乱には毎週のように初心者が引っかかっています。ウォレットアプリも入れ替わりが激しく、Cosmos系で人気だったLeapは2026年5月28日にサービスを終了しました。存在しない公式チームを名乗る詐欺師もいます。LUNCに入れるのは失っても困らないお金だけにして、自分で管理するウォレットで保管しましょう。
アジアでの入手と保管
ほとんどの人は中央集権型の取引所でLUNCを手に入れます。バイナンス、Bybit、KuCoin、Gate、MEXC、Bitget、HTXなどの大手でUSDT建てで取引されていて、KrakenではLUNAのティッカーで上場しています。現地通貨のペアはまれです。一般的なルートは、USDTを買い、LUNCを上場している取引所でLUNCに交換し、自分のウォレットへ出金するというものです。全体の手順はLUNCの買い方ガイドで、どこが何を上場しているかは取引所一覧で確認できます。
出金したLUNCは、テラクラシックのネットワークに対応したウォレットで保管します。ステーキングや投票によく選ばれているのは、Hexxagonチームが運営するGalaxy Stationです。Keplrも使え、LedgerはTerraアプリを通じてGalaxy StationやKeplrで署名できます。Trust WalletとAtomicもLUNCに対応していますが、表示されるステーキング利率は実態よりはるかに高くなっています。テラクラシックにはEVMがないため、MetaMaskではネイティブのLUNCをまったく持てません。避けるべきウォレットも含めた詳細はLUNCウォレットのページにまとめています。
LUNCの物語の多くはアジアで展開しています。トルコには現地通貨建てLUNCとして世界最大の市場であるLUNC/TRYペアがあります(トルコのガイド、英語)。それに続くのがタイで、BitkubがテラクラシックをLUNA_THBとして上場しています(タイのガイド、英語)。ほかの地域はもっと厳しく、KRW、JPY、PHP、VNDのペアはひとつもなく、韓国の取引所は2022年以降LUNCを上場していません。そして日本では、金融庁に登録された暗号資産交換業者でLUNCを扱うところはなく、グローバル版のバイナンスとは別法人のバイナンスジャパンも取り扱っていません。11の市場を比べたアジアのハブもあわせてご覧ください。
よくある質問
仮想通貨LUNCとは、ひと言でいうと何ですか?
LUNCは、2022年5月に崩壊し、今はコミュニティが運営している元祖テラのブロックチェーン「テラクラシック」のネイティブコインです。ネットワーク手数料の支払い、バリデーターへのステーキング、提案への投票、チェーン上での送金に使われます。運営会社はなく、目標価格のようなものもありません。
LUNCは何の略ですか?
LUNCはLuna Classic(ルナクラシック)の略です。2022年5月より前、このコインは単にLUNAと呼ばれていました。新しいテラのチェーンがLUNAの名前を引き継いだため、元のコインはルナクラシック、ティッカーLUNCに改名されました。ラテン語でテラは地球、ルナは月を意味します。
ルナクラシックとLUNCは同じものですか?
同じです。ルナクラシック、テラルナクラシック、LUNCはいずれも、チェーンIDがcolumbus-5のテラクラシック上の同じコインを指します。KrakenやBitkubのように今も旧ティッカーのLUNAで上場している取引所もあるので、必ず正式な銘柄名を確認してください。
LUNCは何に使われていますか?
LUNCはテラクラシックのガス代の支払いに使われ、保有者がバリデーターにステークすることでネットワークを守り、ステーカーにはガバナンスの投票権が与えられます。バリデーターは価格データを提出することで、オラクルプールからLUNCの報酬も受け取ります。課税される送金のたびに一部がバーンされ、供給量は少しずつ減っていきます。
今、テラクラシックの持ち主は誰ですか?
持ち主はいません。テラを開発したテラフォームラボは清算手続き中で、チェーンを運営していません。独立した開発者がGitHubのclassic-terraでコードを保守し、アップグレードやパラメータ変更はすべて、ステークしたLUNCの保有者がオンチェーン投票で決めています。
LUNCはステーブルコインですか?
いいえ。LUNCはペッグのない、値動きの大きいコインです。旧テラのステーブルコインはUSTで、現在はUSTCに改名されていますが、2022年5月にドルとのペッグを失いました。USTCのスワップと発行はオンチェーンで停止されているため、こちらもステーブルコインとしては機能していません。
出典
- テラクラシックのコアコード(classic-terra) · ソースコード
- Terraドキュメント:テラ2.0のジェネシス、スナップショット、Classicへの改名 · プロトコル文書
- テラクラシック LCD:taxモジュールのパラメータ · オンチェーンのパラメータ
- テラクラシック LCD:LUNCの総供給量 · オンチェーンの供給量
- テラクラシック LCD:ステーキングのパラメータ · オンチェーンのパラメータ
- 提案12223:オンチェーン税率を1.5%に設定 · ガバナンスの記録
- CoinGecko:Terra Luna Classic(LUNC) · マーケットデータ
